A fact of life

25歳 院生 直面している現実

元バンドマンから君へ

バンドをやめてからどれくらい経ったんだろう。

大学四年生の終わりに急に嫌気がさして、スタジオを飛び出して

バンドメンバーと音信不通になって。

一人とは会うようになったけど、結局残り二人とはオフラインのままだ。

きっとバンドメンバーではあったけど、友達ではなかったのだろう。

あの頃はバンドで売れたいとか本気で思ってたわけじゃなかったけど、

自分たちがやってる音楽が世界で一番すげえと思い込んでいた。

あれはあれで楽しかったけど、井の中の蛙っていう。

あれから単純計算すれば三年くらい?経ったのかもしれない。

未だに楽器を本気でやろうと思えないまま。

たまーに触って満足してしまう。

一人になって楽器続けるほど、自分はそこまで楽器には愛がなかったのかもしれない。

大学院入ってから高校から大学まであれだけ熱を注いでいたバンドに代わる

何かをみつけられてないままだ。

 

そういうものがなくっても生きていける。

 

音楽はそれでも好きなままで、

好きなバンドのライブには多分前よりも足を運ぶようになったと思う。

バンドをやっていた当時は虚勢をはるように、センスが良いと思われるように、

好きでもない音楽を聞いたり、背伸びしていたと思う。

結局その時聞いてた音楽は聞いてないし、聞こうとも思わない。

今聞いたら当時の嫌なことすら思い出しそう。

今思えばつまらないことだけど、当時はそれが大事で、

好きなもの好きと言えなかったんだと思う。それはそれで苦しい。

 

なんでこんなことを書いてるのかっていうと、

ライン見てたら高校の時の後輩のラインのプロフィールが更新されてて、

そういえばバンドやってたなーって思って、

youtubeでプロフィール欄にあったバンド名を検索して、

一番新しそうなPVを見てみた。

再生数は2000回弱で、それでもいいねは80くらい。

多いのか少ないのかわからないけど、後輩は元気にベース弾いてた。

そういえば合宿で教えたことあったなーみたいな。

自分がベースをやってたことが何か生きてる気がして少し嬉しかった。

でも曲は好きじゃなかった。ヴォーカルの声が好きじゃないし、

良くも悪くも没個性というかあまり特徴がなかった。

最低限のところは超えてると思うけど、でも「ありそう」

この四文字に尽きる。

ここまで書いていて自分がすっごく小さい人間に見えて、

きっと夢を追い続けてる彼らへの嫉妬だと思う。

売れるわけねー、売れるもんなら売れてみやがれ。

これが自分なりの応援で、売れたら売れたで自慢してやる。

あいつ俺が昔ベース教えてやったんだって。