A fact of life

25歳 院生 直面している現実

大学院生の主張

先日選挙があって、駅などでもちらほら政治家を目にした。

そのことで思うことをまとめていきたい。

もちろん選挙には行って投票もしたが、自分の感覚からすると、

もう端的に言って政治家には期待していない。

社会構造として、選挙のシステムとして、若者の意見はこれ以上反映させようがないし、選挙期間中に声高にして掲げていたマニュフェストはどっかにいってしまうだろう。多分投票者もどんな政策を掲げてどんな政治家に投票したのかも忘れて日常を過ごしていくんだと思います。多分先週末は選挙よりも吉本のゴタゴタの方が注目度は高かったんではないでしょうか。私は正直そうでした。だってあっちの方が明らかに登場人物知ってるし、端から見てるぶんには面白かったし。こうなると選挙は自分が誰かに投票しなければならない前提があるとしたら、間違って変な人間(炎上するような人間)に投票しないようにする、消去法をとらざるを得なくなるわけで、野党がしっかりと野党しているように見えない現状だったら与党の方が安定しているように見えて、若者の与党支持もなんとなくわかる気がします。投票率の低下が嘆かれていますが、投票したいと思える人がいないとか、西村ひろゆき氏が述べたように若者(30代だっけ?)が投票しても、高齢者の圧倒的な人数には敵わないとか、そういった現実と向き合わないといけないですよね。投票率をいかにあげるかとか考えるよりも。

 

タイトルをみるとリベラル(左翼と呼ばれたくない人々の総称)の人間かと思われるでしょうが、私は全くそういった思想に迎合するつもりはなく、むしろそういった活動をしている人たちに嫌悪感すら覚えます。駅前で「アベガー、9条ガー」とか行ってる人見るとぶん殴りたくなる。ろくな教育を受けてないんだろうなーっていう風に思っちゃいます。発言に知性が全く感じられない。かといって右派というわけでもなく、日本という国に期待は正直持っていない。このまま沈んていく国を傍観者的な目線から眺めているのでいいかなーって正直思ってます。

 

じゃあどうしたらいいんだっていう話なんですけど、選挙のところでも言及した通り、日本社会は構造が強い。構造が強い、っていうのは社会の基盤が強いわけで。

簡単には潰れるようなことはない国なんだと思います。裏を返せばそう簡単には物事はひっくり返ることはない。ただし、それがよくもあり悪くもある。

多分歴史に名を残すレベルでの革命家みたいな人間が出てこない限りはこの今の社会体制が変わることはないでしょう。それを安定している、と捉えればその通りですが、

私は正直革命とかは期待していないというか、大きな社会変動で犠牲者がでるみたいなディストピアは望んでいないわけです。

 

じゃあどうしたらいいのか?っていうと傍観者的な立場から眺めてるのが、一番楽な気がしています。特に行動も起こさずに沈みゆく国をただぼーっと眺めてる。

要は衰退を受け入れるっていうことです。資本主義社会においては成長していくことが前提ですが、正直薄々わかってきていると思いますが、今後の日本社会で戦後経験したような爆発的な成長が起きるとは到底思えないし、スローペースでの成長っていうのも陰りが見えてきていて、いつ衰退に転じるかわからない状況です。だったらいつ転じるかもわからない衰退状況を、そうなってしまうものとして受け入れて、その社会でどう生きるかを考えていった方が建設的な気がしています。幸いなことにインターネット文化が発達したことによってある程度のコストさえ越えれば、一定のコンテンツを同レベルに享受することが可能になってきたと思います。(動画配信とか)高級品をたくさん買って奢侈な生活を送る物質主義的な考え方がこの先も長く続くかはわかりません。

タワーマンションの屋上に住もうが、六畳一間のアパートに住もうが「住む」ということには変わりないわけで。

「衰退」っていう言い方がよくないかもしれませんが、軟着陸していくイメージです。成長はないかもしれないけど、国内では競争は続けた方がいいと思います。その点で共産主義とも違うと思います。別に平等を達成したいとか思ってるわけでもないし。

 

一度大学の先生と論争をしたことがありますが、

自分の親くらい世代の人(50代〜)はまだ輝かしい日本、バブルに象徴されるような経験がある人が多く、これからもなんとかして日本をまた成長する方向に持って行こうとしている気概が見られます。それはそれだと思いますが(できるかは置いておいて)、バブル崩壊後のだましだまし成長している(と見せられている?)社会で生まれ育ってきた自分からすると、正直そういう希望的観測は空虚なものにしか思えません。社会に抱くイメージの違いと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、国にも社会にも期待できない若者たちがいるのだとすれば、自分たちの周囲数メートルの人たちを大切にしよう。っていう内方向思考になっていくのも仕方がないことなのかなと思います。私も割とそうです。

ものすごく罰当たりかもしれないことをいうとすれば、自分には最低限海外でやっていけるだけの語学力もあるわけだから、日本という泥舟が沈みそうになったら、どっか別の国に逃げればいいとも思っています。もちろん日本という国がなくなるのは悲しいけれど、でも自分はどこか別の国で生きていけるし、本当にそうなったらそうすると思います。それができない人は一緒に泥舟とともに沈んでいくしかありません。自分の実力のなさを恨むしかない。

英語教育者としては絶対に語りませんが、自らの生存戦略として英語やっておけば日本という国が仮になくなったとしても生き残ることはできる、っていう。この意識の薄さの一因としては、フランス革命以降の国民国家という概念、国民である意識というものが薄れてきてるんじゃないかと思います。少なくとも自分の中では。右派(というか所謂ネトウヨ)がよくいう中韓ディスも本当に面白くないし、都合の悪い現実をレッテル貼りして現実逃避してるに過ぎないし、そういった人々には皮肉にもまだ「国民」としての意識があるのかもしれませんが、でもそれは自らの寄る辺をアプリオリナショナリティに置いているにすぎず、後天的に何か身につけたものがない悲しい人たちなのだと思います。「日本人でない人」を叩くことによって自分がさも特別に感じられる。素晴らしい、偉大な国の一員というストーリー付けです。別に日本という自分の国を良いと思うことはいいと思いますけど、そのやり方が気にくわないって話です。最近はテレビで外国人に日本を褒めさせる番組増えましたよね。

かといってやはり左派にも与するつもりはありません。巨大権力である国、与党と戦う自分というヒロイズムに浸っている人たちは、その打倒のためなら暴力も厭わず、汚い言葉を使って、政権の打倒を訴えています。目的のためなら手段を選ばないというか、なんでも許されると思っている。この人たちも自らの寄る辺なさを巨大権力と戦う自分、という大きな物語に位置付けることで解消しているに過ぎないと思います。駅で老人が戯言のように、壊れたおもちゃのごとく「アベガーアベガー」とか言ってるのをみると本当に悲しくなります。この年齢でこの人には、この人たちにはこれしかないのかと。もっと周りにポジティブな気持ちで大切にしてやれる、してもらえる人はいないのかと。

「右」も「左」も悲しいのは知性の欠片もなく、レッテルの張り合いを繰り返して目の前の問題を直視していません。自分の都合のいいようにしか物事を解釈できない脳の作り、働き方になっています。選挙を見ていてその様子はじっくり観察できました。

あほくさ。

おそらくこの国はもう分断が始まっていて、知識層はある程度問題を直視していると思います。私のように「諦め」の境地にいる人もいるかもしれません。

「非」知識層は上述のように「右」なり「左」なりに物事を考えているふりをして自分の都合のいいように物事を解釈して自分とは相容れない考えの人を叩いているだけです。またそういった国民国家としての国民という大きな物語からは外れて自分の周囲を大切にしようという考えの人もいると思います。これも一種の諦めの境地に近いと思います。ですがこれが一番私の世代には多いと思います。

これから先鋭化してくると思われるのは世代間での確執です。前述の通り生まれ育った時代で社会の見え方は変わってくるというか実際に違くて、そこのギャップを縮減することはできても、完全に埋めることは不可能ではないかと思います。少子高齢化という問題に対してどう向き合うのか。この問題の解決が一番優先事項じゃないかと思いますけど、結局老人に忖度するしかない政治家は少子高齢化を解決できない。高齢者を蔑ろにすれば自分のクビが飛ぶし、これからは自分が高齢者になる番。若者はどんどん生活が苦しくなって社会に希望が持てないし、年金払っても自分がもらえるか分からないし、結婚して子どもを育てようにも育てる環境が劣悪で国からの補助もゼロではないにせよ少ない。なまじ将来設計ができる人たちはこんな社会に産もうっていう考えに至らない人は増えていると思います。そうでない人はぽんぽん生む。でもそういった人のおかげで人口増につながってる。ありがたい。

 

正直これから日本に未発見のコスパが良い資源が見つかるとか、歴史的な発明が起きるとかそういうレベルでの変革がなければ、国としての成長に希望を持つことはできないと思います。この先も。研究費削減、学費助成削減、研究者のポスト問題…研究者の肩身がどんどん狭くなっていってる日本じゃあ、そういった発明の可能性もどんどん失われていくと思いますが。このことが一番自分に直面している問題でもあります。博士まで進学した後はどうしたらいいの?社会にでて働くのが遅くなってるぶんはなんとかなるの?お金だけじゃなくて婚期もどんどん遅れてるよ〜。「社会」に出て働いてない人間は遊んでるとでもいうのか〜。社会で働いている人以上に、この国をよくしようと、未来を考えてるのは研究者じゃないのか〜研究者の冷遇やめろ〜!生々しい回答。本当にこの先どうしよう。

 

以上が大学院生なりに考えた日本社会の行く末です。

理想をいえば北欧諸国みたいな持続的な社会への転換がヒントだと思いますけど、

成長への希望が捨てきれない上の世代の人たちがまだ多い状態では無理かなーと思ってます。手遅れになる前に緩やかに衰退する道を選ぶ方が一番幸せなんじゃないかと思います。こんな国潰れちまえ!!!