あの塾とあの時の大学生
「塾」に通っていた。
友達の付き合いで通い始めた塾だった。
小学校の時通っていた塾はただ楽しくて、遊びの延長だった。
小学生の時に勉強で困ったことはなかった。
中学生になって、生まれて初めてテストで失敗した。
失敗したというのは、悪い点数を取るということで、
50点以下の点数をとったのは初めてだったし、90点はおろか80点も取れなくなった。
自分になぜかあった自信はもろくも崩れ去り、プライドはズタズタになった。
中学一年の二学期?くらいだったかに同じ部活の友達が通う塾に通い始めた。
ありがちな話ではあるが、
塾に通ったからといって成績が急激に伸びたわけではない。
親に怒られない程度の点数はなんとかキープできるようになった。
塾自体はチェーン展開されている個別指導塾だったので、
講師と言ってもほとんど大学生だった。
(個別指導塾のほとんどはバイト、しかも大学生)
当時思春期真っ只中の、ひねくれた自分でも塾の先生のいうことは聞けた。
学校の先生には逆らってばっかだったけど。
中学三年生になって、講習で毎日塾に通うようになって、
反抗期で家で大げんかしても、律儀に塾には通っていた。
ひねくれてはいても、自分が塾に行かなかったら高校に落ちるってこと
くらいは本能的にわかっていたのかもしれない。
高校に受かった後、高校に入る直前で塾はやめてしまった。
高校何年生かになった時に塾の前を通ると塾はなくなってた。
ちょっと寂しかった。
時が経って自分が大学生になった時に、
一番最初にしたのが塾講のアルバイトの面接だった。
塾はなくなったので、別の塾だったが中学生の時から漠然と
塾講師いつかやってみたいなーとは思っていたのだ。
これが自分の「先生」経験のスタートになったのであった。